しみ・くすみの正体とその対策 ~美しい肌を保つために~|福岡市中央区天神の形成外科・美容皮膚科|あきこ天神クリニック

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しみ・くすみの正体とその対策 ~美しい肌を保つために~

しみ・くすみの正体とその対策 ~美しい肌を保つために~|福岡市中央区天神の形成外科・美容皮膚科|あきこ天神クリニック

2025年5月09日

年齢を重ねるごとに、多くの人が気になる「しみ」や「くすみ」。鏡を見るたびに、「最近、肌がくすんできた気がする」「昔はこんなしみ、なかったのに」と感じる方も多いのではないでしょうか。しみやくすみは、単なる美容上の悩みにとどまらず、肌の健康状態やライフスタイルの反映でもあります。今この「しみ」「くすみ」の原因と対策について、医療の視点から詳しく解説します。

1. しみとは何か?

「しみ」は、皮膚の一部にメラニンという色素が過剰に沈着した状態を指します。メラニンは本来、紫外線から皮膚を守るために生成される色素で、健康な肌にも必要なものです。しかし、何らかの原因でメラニンの産生が過剰になったり、排出がうまくいかなかったりすると、しみとして皮膚表面に現れてしまいます。

しみにはいくつかの種類があります。

  • 老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)

 一般的に「しみ」と呼ばれる代表格です。紫外線を長年浴びることによって発生し、加齢とともに目立ってきます。顔、手の甲、腕など、日光に当たりやすい部位にできやすいのが特徴です。

  • 肝斑(かんぱん)

 30〜40代の女性に多く見られる、左右対称にできる薄茶色のしみです。ホルモンバランスの変化、妊娠、経口避妊薬の使用、ストレスなどが関係しているとされます。紫外線だけでなく摩擦や刺激も悪化要因となります。

  • 炎症後色素沈着

 ニキビ、けが、かぶれ、虫刺されなどの後に起こるしみです。炎症によってメラニンが一時的に増加し、時間が経っても色が残ってしまうことがあります。

2. くすみとは?

「くすみ」は、肌の透明感が失われ、全体的に暗く見える状態を指します。くすみにはいくつかのタイプがありますが、主に次のような原因が考えられます。

  • 乾燥によるくすみ

 肌が乾燥すると角質が乱れ、光の反射がうまくいかず、くすんで見えるようになります。肌表面のツヤが失われている状態です。

  • 血行不良によるくすみ

 ストレスや睡眠不足、冷えなどで血流が悪くなると、肌の赤みや血色感が失われ、青黒く見えるようになります。

  • 糖化によるくすみ

 食生活の乱れなどで体内のたんぱく質が余分な糖と結びつく「糖化反応」が起こると、AGEs(終末糖化産物)が生成されます。これが肌に沈着すると黄ぐすみの原因になります。

  • 角質肥厚によるくすみ

 古い角質が肌にたまってくると、肌の透明感が失われ、全体的にくすんで見えます。ターンオーバーの乱れが主な原因です。

3. 医療的な対策とセルフケア

しみやくすみへの対処法は、その原因に応じて異なりますが、医療機関で行える治療と、自宅でできるセルフケアの両面からアプローチすることが大切です。

(1)医療機関での治療

 ① レーザー治療

 しみや炎症後色素沈着に対して効果的です。Qスイッチレーザー、ピコレーザーなどが代表的です。

 当院では、しみの状態に応じて、Qスイッチルビーレーザー(ナノレーザー)、ピコレーザーを使い分けています。また、しみに効果的なルビーレーザーをフラクショナル(ドット)状に照射するルビーフラクショナル治療も行っています。皮膚のダメージを最小限に抑え、ダウンタイムが短く施術後のテープも必要ないため、広範囲のしみの治療に有効です。

 ② 内服(トラネキサム酸、ビタミンC・Eなど)

しみやくすみが気になる方には、トラネキサム酸、ビタミンC,ビタミンEの美容内服セットをおすすめします。お悩みや体調に合わせて、L―システインやグルタチオンを処方することもあります。

ビタミンCには抗酸化作用やメラニン産生抑制作用があり、ビタミンEには抗酸化作用・血行促進作用があり、メラニン色素の生成を抑えてしみを改善する効果があります。アンチエイジングには欠かせないビタミンです。一緒に服用することでさらに効果が高まります。トラネキサム酸は炎症を引き起こす物質であるプラスミンの作用を抑える働きがあり、特に肝斑や炎症性色素沈着に有効です。美容施術後の炎症後色素沈着や再発の予防にも有効です。

 ③ IPL(光治療)

お顔全体にジェルを塗り、複数の波長の光を照射します。広範囲の色素沈着に対応可能で、肌全体のトーンアップが期待できます。ヘモグロビンに吸収される波長の光も含むため、しみ、そばかす、くすみ以外に赤みも一緒に改善することができます。1回の施術効果はマイルドですが、ダウンタイムが少なく、施術後にすぐメイクも可能です。

  ケミカルピーリング

 お顔全体に薬剤を塗って、肌荒れや肌トラブルを改善する施術です。古い角質を除去し、肌のターンオーバーを整え、肌質改善に導きます。真皮層のコラーゲンの生成を促す作用もあります。くすみ以外にも、にきびやにきび跡、毛穴、小じわなどお肌の様々な悩みに有効です。

(2)セルフケアのポイント

 ① 紫外線対策

 年間を通じて日焼け止めを使用し、帽子や日傘を活用することがしみ予防の基本です。紫外線は肌老化の8割の原因といわれています。

 ② 正しいスキンケア

 保湿をしっかり行い、肌のバリア機能を整えましょう。摩擦を避け、優しく洗顔・保湿することも重要です。

 ③ バランスの取れた食生活

 ビタミンC・Eをはじめとする抗酸化作用のある栄養素を意識して摂取しましょう。また、過剰な糖質摂取は糖化を促進するため注意が必要です。

 ④ 十分な睡眠とストレス管理

 睡眠不足やストレスはホルモンバランスを崩し、肌トラブルを悪化させます。質の良い睡眠とリラクゼーションが美肌の鍵です。

4. まとめ

しみやくすみは、年齢や生活習慣、環境要因などさまざまな要素が複雑に絡み合って現れる肌のサインです。正確な診断と適切な対処を行うことで、多くの場合は改善が可能です。特に近年は、医療技術や化粧品の進化により、より効果的で負担の少ない治療法も登場しています。

「なんとなく肌が疲れて見える」と感じたとき、それは体や心の不調のサインかもしれません。肌は、あなたの健康を映す鏡です。肌の変化に気づいたら、まずは専門医に相談し、原因を正しく理解することから始めてみましょう。

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